結婚式の二次会で偶然会った大好きな上司に酔ったい勢いで告白したら―!? (ページ 2)

「中野。飲みすぎなんじゃない?」

ああ、本当にそうかも。

大好きな課長の声が聞こえるなんて。

そう思って顔をあげたら、本当にそこに早瀬課長が居て目を剝いた。

「何してるんですか、早瀬課長?」

いつものスーツとは違って、パーティー用の華やかな光沢のあるスーツにお洒落な蝶ネクタイ姿。

ヘアスタイルも、いつものオールバックとは違って、下に降ろしている。

どうしよう。

いつもより三割増しでかっこよくみえてしまって、動揺が隠せない。

課長はいつもと変わらぬ落ち着いた様子で、私の隣に座ると水を勧めてくれた。

「新郎の市原は大学時代の後輩でね。二次会だけでもと誘われたのでやってきた」

言いながら、煙草を取り出して咥えた。

「課長、煙草吸うんですか?」

受け取った水を飲みながら、目を丸くした。

会社ではそんな姿見たことがない。

「煙草と酒くらいしか趣味がなくてね。あ、中野って煙草苦手?」

慌てて灰皿に押し付けようとする手を、慌てて止めた。

「そんなことないです。たとえ煙草が苦手だとしても、課長が吸っている姿は眺めていたいです」

「は?」

課長が驚いて目を丸くするから、私は数秒後に自分の失言にようやく気付き、紅くなった顔をさらに紅くした。

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