昨夜の記憶が曖昧な中目を覚ますと監禁されていて…拒絶できないぬくもり (ページ 2)

昨日、最後の記憶は、暗闇の中で

「お届け物でーす」

という、やけに明るくはしゃいだ声を聞いたこと。

その後は、どれくらいの時間が経ってからのことかわからないけれど、全身を包む暖かい温もりにうとうととしていた。

――あぁ、気持ちいなぁ……

ぬくぬくと重たい布団に身を寄せて、このまま二度寝したい。

惜しみなく癒してくれる柔らかいクッション。

人肌の温度が、私をまどろみへ誘って……。

――って、あれ。

私、昨日、何をしていたんだっけ?

大学に行って、授業を受けて、バイトに行って……

バイトで酷いクレーマーにいじめられて、フォローに入った宇佐美先輩にさらに睨まれて、コンビニでお酒を買い込んで、アキナちゃん家に突撃して……。

その後自力で家に帰った覚えはない。

うわぁ……ってことはここってアキナちゃん家?

これはぬくぬく眠っている場合じゃないぞ、と私はお布団の誘惑を理性で断ち切る。

眼を擦ろうとして、やっと気が付いた。

視界は暗い。

でも、夜じゃない。

瞼が重たいのは当然だ。

だって、眼を何かで押さえつけられている。

――私、目隠しされてない?

コメント (0)

コメントを書く