昨夜の記憶が曖昧な中目を覚ますと監禁されていて…拒絶できないぬくもり (ページ 10)
荒い息を整えている間、先輩は私をぎゅっと抱きしめ、背中や頭を撫でてくれた。
なんか、すごいかわいがられている感じがしてくすぐったい。
「……あのね、先輩。私も、宇佐美先輩が好きです」
「……ありがと。昨日はホントごめん。千夏、すぐ変な男に絡まれるから、気が立ってたんだ。アキナにすげぇ怒られたよ」
「アキナちゃん……?って、そうだ。私なんで先輩の家に?」
「……千夏、昨日のことマジで覚えてないんだな。アキナ、『お届け物』ですって言って、泥酔したお前を俺の家まで背負ってきたんだぞ」
驚くより先に、あ、アキナちゃんならやりかねない……って思ってしまった。
先輩は私の表情を見て、苦笑している。
「俺はその場で説教タイムで、千夏は俺のベッドで熟睡。……アキナが帰り際に、『顔見て素直に謝れないなら、目隠しして耳元で囁けば?』って、ハンカチで千夏に目隠しをして帰ったんだ。ぶっちゃけ、千夏の寝顔見て一晩過ごすとか絶対襲っていたから助かったけれど」
「宇佐美先輩」
「なに?」
「目隠ししないで、ちゃんと先輩とえっちしたいな……」
恥ずかしくて、先輩の胸板にすりすりする。
先輩の鼓動はまた早くなって、ぎゅっと私を抱きしめた。
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