わたしの彼はパティシエ。嫉妬深いわたしに、彼は今夜もじっくりと自分の愛を証明してくれる。
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わたしの彼はパティシエ。嫉妬深いわたしに、彼は今夜もじっくりと自分の愛を証明してくれる。 (ページ 1)
わたしの彼は、パティシエ。
一年前に、念願だった自分の店をオープンさせた。
でも、地元タウン誌に「超イケメンパティシエの店」なんて紹介されちゃったものだから、彼目当ての女性客が押し寄せるようになってしまった。
今日も、店内はお洒落した女性客でいっぱい。
みんな、ケーキなんかそっちのけで、彼の周りに群がってる。
動画撮影したり、彼と記念撮影しようとしたり、まるでアイドルの追っかけみたい。
店を手伝っているわたしは、つい「早く帰れ」という思いが顔に出ちゃう。
「何あれ、カンジわるーい」
なんて、ひそひそ話してるのも聞こえたし。
当然、そういう態度は彼にも気づかれてしまった。
「杏奈、お客さんにああいう態度はよくないよ」
閉店後、二人きりになると、彼が言った。
「お客さんじゃないよ、あんなの。むしろ営業妨害じゃない。みんな、買い物もしないで、修にべたべたくっついてばっかで」
「そんなこと言っちゃ、だめだろ。大事なお客さまなんだから」
「だって……!」
むくれるわたしに、彼は小さくくすっと笑った。
「もしかして、妬いてる?」
「えっ――」
「まさか、女性に囲まれていい気になって、僕が浮気するとでも思ってるのかな?」
「そ、そんなこと、思ってない!」
彼のことは信じてる。
そんなことする人じゃない。
でも、やっぱりいやだ。
知らない女が彼にまとわりついてるなんて。
「困った子だね」
少し困ったように、彼は微笑んだ。
「僕を信じられない?」
「違う。そんなんじゃ……」
「また、一晩かけて、しっかり教えないといけないのかな?僕がどんなにきみが好きかって」
その夜。
「あっ、あ、や――あぁっ!」
わたしはベッドの上で身をよじり、甘い悲鳴を上げ続けていた。
もう何度もイッてるし、どのくらい時間が過ぎたのかもわからない。
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