失恋で傷ついた心ごと大切に優しく癒やしてくれるセラピスト (ページ 8)

「今日のオイルには、イランイランを入れてみた。」

「イランイランねぇ。」

「知ってるの?」

「クレオパトラの惚れ薬でしょ?私、章彦さんに惚れちゃうかもよ笑」

「いいんだよ。無理して忘れようとしなくても。」

章彦さんは、私が失恋したのを知っている。

なんの救いようもない恋をしたくせに、未だに忘れられない私の気持ちも。

新しく人を好きにはなりきれない気持ちも。

章彦さんの手に取られたオイルは、たちまち彼の体温で香り立つ。

背中にすり込まれるたびにカラダは熱を帯びてゆく。

「あっ…」

背中を撫でていた指が気まぐれに胸の膨らみへと滑り込む。

「どうかした?」

なんにもしていないかのように答える章彦さんは意地悪だ。

「なんでもないよっ…」

「そうですか。」

章彦さんの手は徐々に下へと下がっていく。

ゆっくりとおしりを揉みしだかれる。

コメント (0)

コメントを書く