失恋で傷ついた心ごと大切に優しく癒やしてくれるセラピスト (ページ 3)

「何か、頼んでもいい?…」

お金を出すのは自分なのに、どうしてこうも遠慮がちなのか。

「どうぞ」

「すいません!…」

そんな蚊の鳴くような声じゃ、気付いてくれないよ笑

「すいません!」と私。

「はい!」とウエイトレスのお姉さん。

ワンテンポ遅れて章彦さんが続ける。

「あ、ありがとう…えっと、ショートケーキとコーヒーで。あ、砂糖とミルク2個下さい。」

「かしこまりました。」

茶色のジャケットのポケットから、ライターを取り出して火をつける。

二人の間の沈黙に白い煙が流れる。

煙草を吸う章彦さんを眺めるのが好きだ。

「今日は学校あったの?」

「うん。4限まで。」

「疲れるでしょ。ずっと座りっぱなし?」

「うん。大体ね。」

「体育とかないの?」

「無いよ、そんなの。」

「そっか、俺、大学行ったことないからわかんないや笑」

ふぅっとため息みたいに吐き出された煙がゆっくりと上がっていく。

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