飼い猫ばかりを可愛がる彼に寂しさを感じていたら…気づいてくれた彼と2ラウンド (ページ 3)
愛情を疑うようなことはしたくない。
さっきだって、あんなに私のことを求めてくれた英治の気持ちを、信じたいのに。
その時、
「なんでそうなるの」
突然聞こえてきた声に、心臓が止まりそうになった。
振り返ると、ベッドから起き上がった英治が下着だけを身に付けて、こちらに近付いてきた。
「……起きてたの?」
「うん。絵美が部屋から出て、半開きの扉の向こうでシロを抱き上げた時から」
そ、それって、一部始終を英治に見られてたってことだよね!?
隣にしゃがみ込んだ英治が、私の抱えていたシロに手を伸ばす。
いつもだったら、頬ずりしたり、舐められてくすぐったそうにしたり、「可愛い」ってずっと言っている。
でもその時の英治は、私の手からシロを放しただけだった。
床に着地したシロが振り返って、不思議そうな目で私達を見上げた。
「で、俺が愛してるのはシロで、絵美はおまけだって?」
「それは…」
肝心な時に上手い言葉が出てこない。
英治は「絵美ってばシロにヤキモチか」と笑った。
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