鍋パーティーだったはずが、いつのまにか男二人に弄ばれる淫らな宴に発展!
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鍋パーティーだったはずが、いつのまにか男二人に弄ばれる淫らな宴に発展! (ページ 1)
千尋と佳樹は近所に住む同級生。二人は仲の良い幼馴染だったが、思春期を迎えると、お互いが男女を意識してわざと遊ばなくなっていた。
高校生になると、佳樹は地元のヤンキーの先輩たちと行動を共にし、生活リズムも違った二人は一年に二、三度しか挨拶を交わすことがなかった。
ただ、千尋は佳樹の優しい性格を知っている。だから、どれだけ佳樹が派手に遊んでいても、悪い噂を聞いても、佳樹を嫌になることもない。
何より祖母が庭をいじっていると、佳樹はいつも祖母の話相手になっていたらしく、千尋の家族も佳樹への好感度はずっと高かった。
そのまま二人は地元を離れることなく、佳樹は高校卒業後に整備工場に就職し、千尋は大学卒業後、繊維会社に就職した。
二人が久しぶりにゆっくりと話をしたのは、千尋の祖母の通夜だった。
「よう、お前大丈夫か?」
「うん、来てくれたんだ。ありがとう」
「お前、ばあちゃん子だったしな」
「佳樹だってうちのおばあちゃんと仲良かったじゃん」
「まぁな」
幼馴染の二人は、二十六歳になっても何も変わってはいなかった。子供のころから泣き虫だった千尋を放っておくことが出来なかった佳樹。
だからこうして、ぶっきらぼうなりに言葉をかける。それだけで千尋には佳樹の優しさが十分に伝わっていた。
「おばあちゃん、褒めてたよ。佳樹が真面目に仕事に取り組んでるって」
「当たり前だろ」
「ふふっ、変わってないね」
「そんなことはいいからさ、たまには連絡くれよ」
「そうよね、わかった。連絡するよ」
千尋は携帯を取り出し、佳樹と連絡先を交換した。
「千尋!ちょっと来て」
遠くから千尋の母が手招きしている。
「ごめん、行くわ。今日はありがとうね」
「おお、頑張れよ」
「ありがとう」
大人になった二人はまた頻繁に連絡を取り合うようになり、くだらないことも報告するようになっていた。毎日一緒だった子供の頃のように。
*****
半年が過ぎ、佳樹が千尋を鍋パーティーに誘った。佳樹の家で、地元の先輩と後輩が集まるらしい。
佳樹に彼女がいることは知っていたが、なぜ彼女が来ないのかは聞く気にはなれなかった。
メンバーの中に部活の先輩もいたので、とりあえず千尋は鍋を楽しみに行くことにする。
佳樹は先輩を千尋に紹介するつもりなのか、聞いてもいないのに先輩の良いところを千尋にアピールしていた。
千尋は昨年彼と別れてから恋愛が面倒になり、コンパにも誘われたら参加はするけれど、本命を作る気はない。セックスも嫌いではないし、二人ほど体の関係だけ持った男性はいたけれど、それっきりになっていた。
だから、佳樹の先輩とも付き合う気はさらさらなかった。
その日は雪が降り出しそうな寒い夜。冷たい風が吹き荒れていた。
「こんばんは」
「あら、千尋ちゃん!まー、すっかり変わっちゃって」
佳樹の母も千尋に会いたがっていたらしい。
「どうぞ、奥の部屋でみんな集まってるわ」
「ありがとう」
佳樹の家は何年ぶりだろう。千尋は懐かしさを噛みしめながら、奥の部屋へ進む。
「こんばんは」
「おー、千尋ちゃんか!」
二人の男性と、一人の女性がこたつを囲んで座っていた。女性は部活の先輩だった。佳樹が千尋を自分の隣に誘導する。
「初めまして」
「初めましてなのかな。きっとどこかで絶対会ってるよね」
「そうだよ、田舎だし」
「私は千尋ちゃんのテニス部の先輩だしね。覚えてる?」
「はい。もちろんです」
なんとなく知っているような、そんな顔ぶれの三人は明るくてノリもいい。確かに佳樹の前情報通り、全員がいい人なのは伝わってくる。
テニス部の先輩は世話を焼くことが好きで、男性陣に色々と気を配っていた。そんな中、佳樹は千尋を気にしながら、盛り上げ役に徹している。
途中で顔を出した後輩もいたが、ただ寄っただけですぐに帰り、結局は五人で鍋もお酒も楽しんでいた。
「俺、酔ってきた」
「俺も―!」
「ちょっと、まだ飲むの?」
全員のお酒が進む。千尋も普段はあまり飲まないが、先輩がすすめる白ワインが美味しくて、つい飲み過ぎていたのかもしれない。
「なんか肉まんが食べたくなってきた」
「なんで今頃肉まんなの!」
そんなくだらないことで笑い転げながら、千尋は立ち上がった。
「買ってきます、コンビニで」
「俺も行くよ」
さっと佳樹がジャンパーを着る。
「いいよ、冗談、冗談」
「えー、私は食べたくなってきたな」
そんな会話を聞きながら、千尋はコートを着て玄関へ向かった。佳樹が一緒に来てくれることに、なぜかほんの少しドキッとした。
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