好きだった幼馴染に浮気の手伝いを頼まれた俺は激情のままに… (ページ 2)
突然の言葉に、喜ぶよりも早く、ざっと憲太の顔が青ざめた。
「お前、付き合ってる男、いたのか」
「……」
無言でうなずいた美月の目に、じわり、と涙が膨れる様子を見て、絶望とともにゾクリとしたものが背中を駆けおりた。
奪ってしまえばいい、そう、耳元で何かが囁く。
憲太は一瞬のためらいの後、そっと美月を抱き上げると、先ほどまで自分が寝転がっていた寝室へと連れ込み、ベッドの上にぽんと放り投げた。
美月は期待と恐怖、それから少しだけ悲しみを混ぜたような、複雑な表情でおずおずと憲太を見上げる。
「いいぜ……抱いてやるよ。とびっきり優しく、な」
自分でも驚くほどの低い声が出て、憲太は、ああ、意外と怒ってるのか俺、と内心呟いた。
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