保育園児のお兄ちゃんと…一度だけの約束エッチ (ページ 2)
「ご迷惑をおかけしました」
しばらくしてから、お兄ちゃんのカイ君が、息を切らして保育園に飛び込んできた。
「いえ、こちらこそ、目が届かず申し訳ありませんでした」
待っていた園長が頭を下げる。私も一緒に頭を下げた。その姿にカイ君が慌てて首を振る。
「弟が落ち着きないのが悪いんです。ナル、お迎え来るまで、じっと待ってるって約束だろ」
まるでお父さんみたいなカイ君に、胸が締め付けられる。
今年、大学生になったばかりで、本当は遊びたい盛りだろうに。
念のためにと病院を勧める園長の言葉に頷く素直さが切ない。
「小児科に行ってみます。ナル、行こう」
幼い弟の手を引く姿がいじらしくて、そのまま帰すのが不憫だった。
「あの、良かったら病院まで送りましょうか。私、車なので」
「そうしてあげてください。リコ先生は直帰でいいですから」
園長の許可をもらい、軽自動車に二人を乗せて病院へ向かった。
車内ではナル君が車にはしゃいでいて、それをカイ君が窘めるというのが続いた。
微笑ましい姿に、思わず笑みがこぼれてしまう。
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