「鍵は掛けていませんよ」優秀な年上秘書と社長室でイケナイ午後の休憩 (ページ 2)
「だってスケジュールはどうせ貴方が覚えててくれるんだから、聞いても聞かなくても同じじゃない?」
「それはそうですが」
はぁ、とため息をついて、彼は手帳を胸ポケットにしまった。
「そんなに美味しいですか?コーヒー」
「うん」
「まぁ当然ですね。私が淹れたんですから」
彼の口角が上がって、目がキラリと光った。
その何か含んだような顔に、ドキッとする。
「ずいぶん自信あるのね」
「もちろん、貴女の好みは熟知しておりますから」
ゆっくりと、机の横を回って、椅子に座る私に近づいてくる。
やや腰を屈めて、見上げる私の唇を彼の舌がぺろりと舐めた。
「うん、完璧な味」
満足げに頷いて、それから更に私の唇をこじ開けて舌が入ってくる。
コーヒーの苦みとクッキーの甘みを、彼の舌がすべて奪っていく。
「ん、ふっ…んん、あ」
口の中を舐め回して、舌を絡めて、ねっとりとしたキスに体中の力が抜けていく。
彼の舌使いにとろけてしまいそう。
ぴちゃぴちゃと水音を立てながら深く深く口づけて、糸を引いて離れた唇は弧を描いた。
「物足りないって顔してますね…そんなにお口に合いましたか?」
はぁはぁと息を乱した私の唇を、彼の男らしい指がすっと撫でる。
もう、分かってるくせに。
「奨哉のキスが、上手いから…」
名前を呼べば、彼はまたにっこりと笑った。
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