クリスマスに駆りだされたバイト先の店長に視姦されて感じちゃう (ページ 2)
「とにかく、ケーキ売り切ったら、帰らせてもらいますから」
「うん。本当にごめんね」
頼りないほどふにゃふにゃの笑顔に戻った利人さんに、ほっとした。
「クリスマスケーキ、いかがですか?」
大通りに面した店の前で、呼び込みをするのは正直、辛い。
寒いし、のどは渇くし、何より視線が痛い。
クリスマスにミニスカサンタの格好なんて、かわいそうに。
そんな声が聞こえてきそうな視線が、わたしに一瞬だけ触れて流れていく。
「ケーキをお買い上げのお客様には、揚げたてチキンの割引サービスがございます」
隣のサンタクロースは、他人の視線なんて気にしてないみたいだけど。
「チキン、割引だって」
「ケーキ、小さいし買おうか」
利人さんの押しつけがましくない呼び込みは効果絶大で、次々にケーキが売れていく。
わたしはお飾りにもなっていない。
「店長、残りはわたしがやるので、レジ、やってください」
自分で言うのもなんだけど、わたしは昔から妙に負けず嫌いだ。
残り三個のケーキは、自分で売り切りたいと思った。
「そう?列がはけたら戻ってくるから、あんまり無理しないでね」
「はい」
無理はしないでと言われても、役立たずのまま終わりたくない。
「クリスマスケーキ、いかがですか?」
わたしは必死に明るい声を出した。
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