偶然隣り合わせた美容師と意気投合して…憂鬱な出張が巡りあわせたときめき (ページ 7)
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅぐちゅ。
「ぁんぁん、あぁんっ!・・・もう、だめ、どうか、なる・・・ぁん」
「なりなさい」
少し荒い息で、それでも静かに、里崎さんは言った。
その言い方にまた熱くなる。
「もう・・・だ、め。・・・ぁぁぁぁあんっ!!」
私は、その夜、何度も絶頂を迎えた。
朝陽がまぶしい。
「じつはね、新幹線さ、練習台、わざと見えるようにしてたんだよ。あなたとのきっかけにしようと思って」
里崎さんは、照れくさそうに、私の頭をぽんぽんと叩いた。
「それから」
向き直り、まっすぐ私の目を見つめ、ひと息に言った。
「これから、あなたの髪は僕に任せてほしい。もちろん、あなた自身も」
私はうなずき、手を伸ばして彼の髭をそっと撫でた。
コメント (0)