歓迎会で、上司のセクハラからお酒に弱い私を救ってくれたひと (ページ 3)
「部長!」
「なんだ、桐原。急にどうした?」
「あ、いや、新入社員にベッタリもいいですけど、俺たちの相手もしてくださいよ~、なんちゃって。(笑)」
「なんだよ、桐原、めんどくせー奴だな、お前は!(笑)」
もしかして・・・今、助けてくれた・・・?
桐原さん・・・気づいてたの・・・?
「ご馳走様です!」
「おう!今日は俺のおごりだぁ!お前ら、もう一軒行くぞぉ!」
うわっ、部長さらに酔ってる・・・。
「あ、そうだぁ!島崎ちゃんも行くだろぉ?なぁ?」
え・・・、又、さっきみたいになったらどうしよう・・・。
怖いよぉ・・・。
「あ、島崎さん、初日だし、色々疲れちゃってると思うんで、ボク、駅まで送っていきます。」
桐原さん・・・。
「なんだよ、桐原!お前も帰っちゃうのかよぉ!」
「はい!まだ、仕事残ってるんで、送った後、会社にも戻りたくて。」
「行こう、島崎さん。」
「あ・・・はい。」
チカチカした繁華街のネオン。
強面の客引き。
慣れないところだけど、隣に桐原さんがいてくれるだけで、なんだか、ホッとしちゃうなぁ。
「あ、あの・・・ありがとうございます。すみませんでした・・・。」
「ホントだよ。」
「え・・・。」
「面白いなぁ。島崎さん。嘘だよ。」
「なんだ・・・嘘ですか・・・。」
「でも、気をつけないと。ウチの会社、エロいやつばっかだから。」
「そうなんですか・・・!」
「うん(笑)。特に部長は有名。」
「怖かったです・・・。」
「部長は強引だからなぁ。」
「ねぇ、島崎さん。」
「はい。」
「この後、2人で呑みなおさない?」
「あ、でも、私、お酒弱いから・・・。」
「あぁ、呑まなくてもいいよ。たださ、せっかくの歓迎会なのに部長にあんなことされた島崎さんが気の毒だなって思ってさ。」
「・・・良いんですか?」
「あんまりいい店行けないけど、俺からの歓迎会ってことで。」
「ありがとうございます・・・。」
桐原さんが連れて行ってくれたお店は、
タバコの煙もガチャガチャしたグラスのぶつかる音もしない静かなバーだった。
「すみません。・・・こんなお洒落な・・・お店に。」
「良いの良いの。安い店だし。何飲む?ソフトドリンクはこっちにあるよ?」
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