翻弄される度に経験値の差を感じて…白衣で繋がる独占欲 (ページ 9)
「ね、美歩」
「はい?」
「いく時さ、絶対俺の白衣ぎゅってするでしょ」
少し驚いた。
先生も知ってたんだ。
「保健室ですると、いつも終わった後に白衣が皺だらけになってる。でも俺は、敢えてそのまま着てるんだ」
「え?」
「どうしてか分かる?」と言いたそうな表情に見つめられる。
やがて、その口元が悪戯っぽく上がった。
「白衣の皺は美歩のキスマークみたいなものだから」
恥ずかしいです、そんなことしないで下さい…そうした思いは浮かぶのに、何一つ言葉に出来ない。
ただ一言。
「剛さんのばか」と言って、私も笑う。
今は、大好きな人を怒る気分にはなれないから。
そうすれば、先生はまた力強く私を抱き締めてくれた。
コメント (0)