偶然再会した元夫との久しぶりの濃蜜なセックスに、身も心もトロける私
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偶然再会した元夫との久しぶりの濃蜜なセックスに、身も心もトロける私 (ページ 1)
「離婚しよう」
重々しい声と表情で壮介はそう口にした。
一生一緒に居たくて。
ずっと彼と深い部分で繋がっていたくて。
結婚して願望を叶えて幸せだったはずなのに。
「…うん」
妊活のプレッシャーからの解放感を覚えている自分が。
何より離婚というワードを言わせたズルい自分が。
私はすごく嫌だった。
*****
4年間の結婚生活と妊活を経て離婚した後、私は独身生活をそれなりに楽しんでいた。
そんな矢先だった、職場の取引先で壮介と再会したのは。
堅くて感情の乏しい表情も。
鋭くて無駄のない言葉遣いも。
体型も何もかも。
あまりにも変化がなさ過ぎて、笑いそうにも少しだけ泣きそうにもなった。
漫画やドラマですらない再会劇を繰り広げて、しばらく経ったある日のことだった。
「…まさか、再会するなんて思わなかった」
再会した日を昨日のことのように呟きながら、お風呂上がりにのんびり寛いでいるときだった。
微かに電話のバイブレーションの音が聞こえてきた。
「どこからだ?」
呟きながら振動音を頼りに未だ震え続ける通信機器を探すと、通勤用のバッグに辿り着いた。
「…こんな時間に電話なんて」
誰だろう、という呟きは取り出して画面を明るくした拍子に喉の奥へ消えた。
「…壮介」
そこには彼の名前が示されていた。
こんな時間に電話するってことは、急用なんだよね?
そう思うと、私は振動を止めずにいられなかった。
「…もしもし」
「…凛、か?」
ドキドキしながら電話を耳に当てて恐る恐る聞くと、私的な呼び方で名前を口にされた。
「そうだけど、何の用? 急用じゃないなら切るよ」
「…元気にしてたか?」
その問いに、切ろうとした手を思わず止めてしまった。
「元気だよ」
「…そうか、だったらよかった」
特別な用がある感じではないから、ここで終わらせればいい。
そう思うのに何気なく気遣ってくれる気持ちが嬉しくて、中断する気力を奪っていた。
しかし、愛しさや恋しさを素直に伝えることもできなかった。
「妊娠して子供を作るっていうプレッシャーから、不妊治療からも解放されて」
当て付けのように応えると、電話の奥から微かに短く息を詰める壮介の声が聞こえてきた。
「死ぬ前に孫の顔を見せてほしい。そろそろ子供は作らないのか。最初は女の子の孫が欲しいな。家族にも貴方のお義母さんにもそう言われなくなって」
「それは…母が申し訳なかった」
「早くお義母さんの期待にも、貴方の望みにも応えたくて。でもそう思えば思うほど治療も上手く行かないし、子供も全然できないし」
当て付けて言った言葉は今までの時間をも思い出させ、もう歯止めが効かない状態になっていた。
「子供ができないのは全部私のせいだって言われたみたいで、嫌だった」
濃密になっていく過去の気持ちが、私の唇を動かし続ける。
「もう子供子供考えるのが嫌だった。だから清々したし、安心した。壮介が子供ができない私を見切って、離婚を切り出してくれて」
「違う、そうじゃない」
離婚の時の思いを出し切ると、壮介の声が久ぶりに聞こえてきた。
「何が違うのよ…!」
「オレと離れて楽になるならいいと思って離婚したんだ」
「えっ…」
「凛とずっと一緒に居られるなら、ずっと幸せそうに笑ってくれるなら、それでいい」
「そんなのっ」
「信じる信じないは好きにすればいい。ただ…」
目元の湿りや熱さを逃がすように瞬きをすると、壮介が私の言葉を遮るように続けた。
「出会った時も今もオレには凛以外に考えられない」
揺るぎないその言葉が一瞬だけ私の思考回路を停止させた。
見切られたんじゃない。
必要ないと捨てられたんじゃない。
思考が再開して壮介の言葉の意味を徐々に理解していくと、瞳に溜まっていた涙がとうとう頬を伝って零れ落ちた。
小さな子供みたいに掌で目を擦って涙を拭いながら、ズズっと鼻をすすっている時だった。
突然、室内にインターホンの音が響き渡った。
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