愛人の政治家が不祥事で辞職した夜。私はマンションの部屋、報道を眺めながら、彼の息子と身体を重ね合って。
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愛人の政治家が不祥事で辞職した夜。私はマンションの部屋、報道を眺めながら、彼の息子と身体を重ね合って。 (ページ 1)
本当におやじの金もって逃げるつもり?」
自分の父親が映っている報道番組を観ながら、和真が尋ねた。
「もちろんよ。いつまでもあんなセクハラ親父の愛人なんかやってたくないの。ね?だから、和真も一緒に行こうよ。」
私は、和真の太ももに手を当てて、甘い声で彼に囁いた。
「俺は・・・」
「和真は、お兄さんやお父さんにバカにされっぱなしで悔しくないの?」
「・・・・」
煮え切らない態度の和真を見て、私は冷たく言い放った。
「和真は弱虫だね。」
「そんなことないよ。」
「じゃあ、なんで私と逃げないの?」
「それは・・・」
和真と出会ったのは、3年前。
和真の父親である政治家の愛人になり、与えられたマンションの一室で暮らし始めた私は、同じマンションの2階で暮らしていた和真と時々顔を合わせ、親しく話をするようになった。
息子と愛人を同じマンションで生活させる彼の父親のふてぶてしい性格に呆れながらも、私と和真は親密な関係になっていった。
彼の父親とは、お金だけの関係だったから、和真と深い関係になっても、一切罪悪感は感じなかった。
ただ和真と私の関係が、バレてしまうことだけが心配だった。
2人の関係が彼の父親にバレたら、和真は殴られるだろうし、私は別のマンションに引っ越しをさせられるかもしれない。
それだけが、不安だった。
和真と私は、いつか私たちの関係が彼の父親に発覚すことを恐れながら、この部屋で逢瀬を重ねていた。
2年前、彼の父親は突然、私の部屋に大きな金庫を持って訪れた。
私のクローゼットの奥に金庫を用意し、その中に大金を隠すと、強く口止めした。
先月、彼の父親は、マスコミの女性にセクハラを働いたことを週刊誌にスクープされ、それ以来、このマンションに来なかったが、昨日、辞職を発表した。
彼の父親が、辞職を公表したというニュースを観た私は、今夜、和真にお金のことを打ち明け、海外に2人で逃げようと誘った。
父親の辞職に戸惑った様子の和真は、彼の父親がこの部屋に隠した大金のことを知って更に驚いた。
それでも私が「海外に逃げよう」と誘うと気持ちが揺らいだのか、目を宙に泳がせた。
私は、報道陣のフラッシュに取り囲まれた彼の父親が映っているテレビを横目に観ながら、ソファで沈黙したままの和真の膝に跨った。
「お父さんはずっと和真のこと、ほったらかしで、お兄さんばっかり見てたんでしょ?そんな父親、とっとと見捨てて2人一緒に海外で楽しく暮らそうよ。」
「それは・・・」
「それは、何?」
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