「ちょっと悪いことしない?」残業後のオフィスで幸せいっぱいの対面座位えっち (ページ 2)

私達は社内では必要以上に接しないよう、一定の距離を保っている。

呼び方も「課長」「吉木さん」で徹底。

飲みの席では、つい名前で呼んでしまうこともあるけど…。

颯人さんはデスクを離れてこちらへやって来た。

そして、私の頭をそっと撫でる。

「みんな遅くまで残ってるんだし、たまには一緒に帰っても目につかないと思うよ?」

「でも…」

「って言っても、残念ながら俺はもう少しやること残ってるんだ。先に帰ってていいよ」

ふっと残念そうに笑うと、颯人さんはデスクに戻ろうとした。

1人だし、なんだかちょっとしんどそうに見える…。

「あのっ、わたし、手伝います!」

「え?」

「今夜だけ、課長補佐になります。なんでも言ってください」

真面目な顔をして言うと、颯人さんはおかしそうに笑った。

「ありがとう。吉木さんが手伝ってくれるなら、きっとすぐに終わるね」

ここにいるのは、あくまで上司と部下―――。

「はいっ!もうひと踏ん張りしましょう」

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