興味本位で「どんなセックスをするんですか」と聞いたら懇切丁寧に教え込まれた話 (ページ 5)
膣が、さっきから忙しなくキュウキュウと欲しがっているのがわかる。
耳元で話されるせいで、脳にダイレクトに刺激が送られている感覚に陥って、鳥肌がとまらない。
「彼女の艶やかな喘ぎ声を聞きながら、イイ場所を狙って穿って…俺は遅漏気味だから、俺がイくまでに彼女は何回イくかな? とにかく俺しか見えなくなるくらい、ドロドロに甘やかして優しく責め続けて…まあ最初の夜は、こんな感じで彼女の意識がトぶまで抱くだろうな」
軽い気持ちで聞くんじゃなかった。
だってもう、工藤さんの架空の彼女に嫉妬の気持ちを抱いていることを自覚してしまったから。
私が知っているセックスとは違いすぎて、こんな風に大事に抱いてもらえる彼女が羨ましくて仕方がない。
こう思っている時点で、私は無自覚に工藤さんに好意を寄せていたのだろう。
でも気づいた時にはもう遅い。
だって、こんなにも包み隠さず猥談をしているってことは、そもそも私のことなんて眼中にない証拠だろう。
私は自分の恋心を自覚したと同時に失恋してしまったのを悟った。
しかし、落胆していることに気づかれるわけにはいかないので、なんとか明るい声を絞り出す。
「…めちゃくちゃ情熱的ですね! 普段の工藤さんからは想像できないくらい…工藤さんの彼女になる人は、幸せですね。私、そんな風に抱かれたことないから、やっぱり今まで付き合った人からは遊び相手認定されてたのかな。悲しー」
上を向いてないと、涙が零れてしまいそうだ。
喉がキュウっと詰まる感覚に耐えていると、ずっと握られていた手が開放されたことに気づく。
ああ、この時間も終わりか。
お酒の力があったからだが、もうこんな至近距離でこういう雰囲気になることもないのだろうなと寂しい気持ちになっていると、おもむろに顎を捕らえられてそのまま唇を塞がれた。
互いのアルコールの匂いが鼻をくすぐる。
すぐに離れた工藤さんの顔を呆然と眺めていると――
「ちなみに俺は、今言ったこと全部神尾が相手だと想像しながら話してたんだけど」
「え…っと、それって…どういう…?」
「…鈍いのもここまでくると清々しいな。…いや、お前に察する能力を期待するのがそもそもの間違いだったな」
そう言うや否や、再び唇を奪われる。
先ほどの触れるだけのものとは違い、今度は深いキス。
驚き縮こまった舌をあやすように絡めとられ、ようやく解放されたころには私はゆでだこのようになっていたはずだ。
そんな私を愛おしいものを見つめるように目を細め笑う工藤さんは、私を抱き込み耳元で囁いた。
「もうここらでいい加減、俺にしとけ。後悔はさせないから」
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