興味本位で「どんなセックスをするんですか」と聞いたら懇切丁寧に教え込まれた話 (ページ 3)
「フニフニの唇を堪能して、少しずつ開いてきた隙間に舌を優しく這わせて、彼女の舌を誘う。控えめに差し出された彼女の舌を捕らえたら、後頭部に手を入れて逃げられないように華奢な身体を抱き込んで、唇を深く奪うんだ」
「キスって…そんなロマンチックな順序があるんですね。私、いつも…なんならキスなんてされないときもあったのに」
「お前の選ぶ男は、本当に趣味悪いな」
「そうなのかなあ…あの、工藤さん。手…」
「…減るもんじゃないし、いいだろ。続けるぞ」
減るもんじゃない…たしかに。
まあ気持ちいいし良いかと、アルコールに侵された頭でフワフワと考える。
「呼吸を奪うくらい激しいキスじゃなくて、じわじわと浸食していくような深いキス。そうして、彼女から漏れ出る声を堪能する。堪えられなくなって彼女が立ってられなくなったところで口を解放してやって、耳やうなじを啄むようにキスを送る。酸欠気味の彼女の肌が粟立つ部分を見つけたら、重点的にそこを責めて…」
そのとき、私の前に影が落ちた。
耳に、熱い吐息を感じる。
思わずビクリと身体を震わせると、隣から面白そうに笑う息が漏れる。
「お前も、耳弱いのか?」
耳元で囁かれる、低い声。
「や、…耳なんて、弱くな…」
「ずいぶん気持ちよさそうだけど」
反射的に手を引こうとするものの、いつのまにかガッチリと指を絡められていて距離を取れない。
耳殻に吐息がかかる感覚がもどかしくて、自分の口から熱い息が漏れ出てしまう。
工藤さんはクスッと笑って、
「そう、そういう声を彼女から引き出すのが好きなんだ、俺」
なんていけしゃあしゃあと宣う。
少し身体が離れたことに安堵していると、今度はうなじを指でツウっとなぞられ、「ひゃうっ」と明確な声を上げてしまう。
「うなじも感じるのか。結構敏感だな、お前」
「工藤さんこそ酔ってません? 場に流されすぎじゃ…っ」
薄暗い個室の照明に照らされて、男の欲を滲ませた瞳と視線が絡まる。
いつも冷静な彼のこんな顔、見たことがない。
「…彼女の力が抜けたところでベッドに寝かして、ゆっくり見せつけるように服を一枚ずつ脱がしていく。徐々に露わになる肌を唇で愛撫しながら、時折キスマークを付けて…そうだな、たとえばココとか」
そう言って、おもむろに私の顎に手をかけて上を向かせると、そのまま顔を近づけたかと思えばチリっとした感覚が鎖骨の上に落とされた。
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