「お嬢様の願いなら、何でも叶えます」2人だけの合言葉で豹変する送迎係の献身 (ページ 3)
「そんなに触って。千星は本当に、はしたないな」
スマートにステアリングを操りながら、利人さんはわたしをいたぶる。
「一昨日だって、俺は触ってないのにびしょ濡れだったし」
低いのにハチミツのように甘い声。
言葉で責められただけなのに、わたしの体は熱くなった。
「はぁ、利人さん…早く、触って欲しいです…」
「なんだ。もう、おねだりか」
「あそこ、きゅんってして…苦しぃ…」
「仕方ねーな」
車の速度が少し上がる。
ホテルに着く頃には、わたしの下着はぐっしょりと濡れていた。
「千星お嬢様、足元にお気をつけください」
さっきまで粗野な言葉だった利人さんが、車を降りた途端に親切な運転手さんに戻る。
覚束ない足元でエレベーターに乗った。
二人きりの密室。
触れた肩の温もりさえ意識してしまう。
「いつも通り、部屋を取りました。ケーキは特別にルームサービスで出して頂けるそうです」
わたしは返事すらできず、ただ部屋へと足を進めた。
セミスイートの部屋は午後の日差しの中で、白く輝く。
すでに、数種類のケーキが準備してあった。
親のお金をこんな風に使うことへの罪悪感は、欲望のブレーキにはならない。
コメント (0)