旅先で迷子になった私が出会ったのは、路地裏で佇むバーテンダー風の彼。行き先を示してくれた彼の手は、不意に私の手首を掴んで……。 (ページ 3)
「んんっ……」
その気持ちよさにゾクゾクと身体が震え、思わず背中が反ってしまう。
すっかり身体が性感帯だらけになった私は、少し触れられただけでも身悶えた。
「沙希ちゃん、締めすぎだって……っ」
「あんっ、だめ、私……もう」
「イキそう?」
松山さんの言葉に、コクンと頷く。それを合図に、松山さんは私の腰をぎゅっと掴み、更に奥へと激しく突き上げた。
「あっ、やっ、あんっ! あっ、ああっ!」
私は口を抑えることも出来ず、声を上げてしまう。だけど、もう松山さんもそれを止めない。彼も限界なんだ、ということが分かった。
「あふ、んっ、あっ、あっ、あんっ、イキそ、イッく……」
「俺も……っ!」
グンッと突き上げると、そのまま松山さんは私の中へ放出した。下腹部にじんわりとお温かいものを感じ、私は彼の身体に倒れこんだ。
「出しちゃったの……?」
私が聞くと、松山さんは「うん」と頷く。
「やだぁ……」
「ごめんね?」
松山さんは笑いながら陰茎を抜くと、指で私の膣内から自分の精液を掻き出した。
まだ快感の余韻が残っているのにそんなことをするから、私はまた声を上げてしまう。
「沙希ちゃん、感じ過ぎ」
「だって……」
「エッチ好きそうなコだなぁと思ったけど、やっぱ当たったね」
「そんなんこと言わないで」
「え? もっかいする?」
「ばか、しませんー」
私は口を尖らせて彼の肩を叩いた。でも、松山さんは嬉しそうに笑っている。
するとその直後、ビールケースの向こう側から「おーい」と声がした。
私は驚いて咄嗟に身を屈めた。
「松山ー、悪いけど混んできたから戻ってくれー」
どうやらお店の人らしい。松山さんはそう言われて「分かったー」と返事をした。
ビールケースの陰に隠れていたとはいえ、お店の勝手口のそばでセックスをしていたんだと思うと、急に胸がドキドキしてきた。
「俺もう行くね」
「う、うん……」
急によそよそしくなる私に、松山さんはふっと笑ってキスをした。
じゃあね、と手を振りながら松山さんはお店へと戻っていく。その姿を見送っていると、彼の右手が握りしめているものにハッとした。
「ちょ、ちょっとそれ私の――」
「沙希ちゃんの思い出にもらっとく。ホテルはすぐ近くだけど、気をつけなねー」
バタン、とドアが閉まる。
「……嘘でしょ……!?」
私はスースーした下半身にドキドキしながら、慌ててホテルへと向かった。
もちろん、彼氏への言い訳も考えて……。
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