深夜に業界大手の若き社長から契約の件で呼び出されて…秘密の打ち合わせ (ページ 2)
フロントで指定された部屋に向かい、インターホンを押すと、がちゃりとぶっきらぼうに社長がドアを開けた。
その姿を見て、美咲はドキッとする。
「遅くなり申し訳ありません…。」
「こちらこそ。明日早いので、先にシャワーを浴びてしまって。こんな格好で申し訳ないけど。さ、座って。」
前の大きく開いたバスローブからは結城社長の引き締まった胸板がチラチラと見える。
心なしか目を背けながら美咲は示された席に座る。
「…で、提案の根拠となるデータは?」
「ご用意しております。」
それから小一時間ほど説明させられただろうか。
「よし、分かった。…では今回は君の所にお願いしよう。遅くにほんとに済まなかった。」
美咲はあまりの疲れにぼーっとしながらも、大口の契約がとれ、身体の芯から、じわじわと興奮に包まれてくるのを感じていた。
さりげなく腰に腕が回され、照明を少し落とした部屋の中へと促される。
「さ、ソファに座って。いいワインがあるんだ。契約締結の祝いも兼ねて乾杯しよう。こんな遅い時間に呼び立ててしまったんだから、当然帰りの車はこちらで準備するよ。」
あれ…噂と違って意外と真面目な人なのかも。
そう思った瞬間、美咲はほっとすると同時にがっかりしている自分に驚いた。
美咲の前に置かれたグラスに社長がワインを注ぐ。
「さ、飲んで。」
ワインに目がない美咲は、促されるままグラスを手にする。
結城社長は話上手で、聞いているうちに美咲は楽しくなって、つい飲み過ぎてしまった。
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