他人の不幸は蜜の味。セクシー悪女になったつもりで不倫デートを楽しむ私 (ページ 3)
「いいわ、いい、すてき――!」
アダルト映像のように我を忘れて快楽をむさぼる、なんてところまでは無理だけど、普段の地味な自分を思えば、おもしろくて笑いだしそうになるくらいだ。
毎日、仕事と自宅の往復だけの私が、ホテルのベッドで大胆なセックスを楽しんでいるなんて。
おそらく彼も、妻とのセックスでは、こんな丁寧な愛撫などしないだろう。
おざなりに妻の体を撫でまわし、自分勝手に挿入して腰を振って、はいおしまい、程度のはず。
私と関係を持ってからは、そんな投げやりなセックスすらしていないのかも。
それで彼女に、彼の妻に勝った、なんて思ったりはしないけれど。
でもやはり、ちょっといい気分だ。
私を見下していた女を、私もこうして見下している。
それに何より、男からひたすら奉仕してもらうのは、嬉しいものだ。
彼の時間も金も体力も、すべてを捧げてもらっている。
そろそろ終わりにしようかなと思ったら、彼の耳元で囁けばいい。
「来て、お願い。もう待てないの。あなたが欲しいわ」
少し大げさに喘いで見せると、彼の興奮は一気に高まった。
もたつきながら避妊具をつけ、私の中に入ってくる。
「あ、う――うぅうっ!」
挿入の瞬間には低い呻き声が漏れた。
「ああ、いい。いいわ、泰さん!」
熱いものがぬるぬると滑り、私の中を出入りする。
内側からじわじわと何かが広がってくるようなこの感覚も、この時しか味わえない。
彼は私にしがみつき、我を忘れて腰を振っている。
「いいよ、亜希子、すごい、いいっ!」
「私も、ああっ、ああ、いい、もっと……もっと、きて!」
私がリズミカルに二、三度、軽く締め付けてやると、彼は簡単に達してくれた。
脱力してぐったりと倒れ込んでくる彼を抱きとめ、最後のご褒美の言葉を囁いてやる。
「素敵だったわ……。あなたは私に、今まで知らなかったことばかり教えてくれるのね」
全力疾走の直後のように汗だくになった彼は、はにかむ子どもみたいな笑顔を見せた。
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