好きで好きで仕方がないのに―叶うことのない初恋が招いた暴走する独占欲 (ページ 2)
『アイツのところになんか行かしたくない』
ただその一つが頭の中をぐるぐるまわっていた。
「ね、まだ時間あるなら僕ん家寄ってってよ」
美衣ちゃんは少し考えてから
「…仕方ないなぁ…ちょっとだけね」
と、そう答えた。
その言葉を聞いた途端、僕の何かがぷつんと切れた、そんな気がした。
「晃の部屋、久しぶりだね」
無邪気な笑顔。
この笑顔を僕のものにしたい。
「晃?どうしたの?」
「え…」
「何か…泣きそうな顔…」
「…ッ…そんなことないよ」
「よしよし…」
美衣ちゃんはそう言って、僕の頭を撫でた。
いつもそうなんだ…。
僕は、美衣ちゃんにとってただの弟みたいなものだと思い知らされる…。
「美衣ちゃん…」
頭を撫でていた腕を握る。
ぎゅっと、キツク…。
「晃?」
「アイツの所に…行くな」
「…え?」
僕の雰囲気がいつもと違うことに気付いたのか、美衣ちゃんの瞳はふわふわと泳いでいる。
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