無愛想で腹が立つ先輩の心中を目の当たりにして…甘くイジワルに愛される (ページ 8)

平行に進む二人の間に、会話とも呼べない不自然なやりとりが繰り返された。

嬉しい…でも、居心地はそう良くもない。

一本小さな通りに入る。

しばらくいくと、ふしだらなお店が並ぶところへ入ってしまって、居心地の悪さは最上級になってしまっていた。

「やっぱり、うまくできないなぁ。」

いきなり長谷川さんが言う。

「なんの話ですか?」

「好きな女の子と話すの。」

ここで?

え。

ここで話すの?

テレクラの看板でも見て感化されたんだろうか。

いや、そんなこと言ってる場合じゃない。

冷静さは急に私の首を絞めてくる。

長谷川さん、好きな人いたんだ…。

背も高いし、仕事もできるし、彼女だったりしないのかなぁ…。

「そうなんですか。」

「随分、他人事だなぁ。」

え…。

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