クールな後輩を乱したくて仕掛けた大人の駆け引きに翻弄されるのは― (ページ 3)
派手なネオンに飾られたいかがわしいホテルに入ると決めたのはどっちが先だっただろうか。
部屋に入った瞬間、唇を重ねたのは私から。
そうしないと勢いがつかないと思ったのだ。
成宮の厚めの唇も、やはり冷たかった。
――触れたその瞬間は。
二人ともきっと、言葉を発したくなかったのだ。
唇を外すタイミングを見つけられず、そのままキスは深くなる。
舌を絡めあい、卑猥な音を存分に立てながらベッドの上に転がった。
成宮のネクタイに手を掛ける。
自分から先に男の服を脱がせたことなんてなかったけれど、彼の方から脱がせてくれる自信もなかった。
ううん。
単に焦っていたのかもしれない。
このままなんでもない顔でなかったことにされたくなくて。
これだけ近づくと、良く分かる。
私がどれだけ成宮に焦がれていたか。
気持ちより身体の方がずっと正直だ。
成宮はどうなんだろう。
慣れた手つきで私のスーツを脱がせていく。
冷静な瞳は、少しだけ潤んでいるようにも見えるけれど、それは光の加減かもしれない。
思ったよりも筋肉質な胸板に舌を這わせる。
いつも冷静な成宮の呼吸が私の刺激で乱れていくだけで、身体の奥が熱くなる。
どうしちゃったんだろう。
私、今日はお酒なんて一滴も飲んでないのに。
成宮が私の乳房を唇に含んだ瞬間、体中に電気が走ったように甘く痺れた。
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