イッたばかりを指や舌でさらに責められ涙が溢れて―セフレ失格の2人 (ページ 8)
「ごめんね」
頼はシーツで口をぬぐってから、私の額にキスをする。
そのまま覆いかぶさるようにして、ぎゅっと抱きしめられた。
「言って。美香から。なんでもいいから」
なんでも受け止めるから。
頼はいつだってそうだ。
どんなくだらない話でもきちんと一度は受け止めた上で考えてくれた。
でも、言ったらそれもなくなってしまいそうだった一言を伝えなきゃ。
今を逃したら、永遠にタイミングがこないような気がして、私は泣きながら声を発した。
「…頼、大好き。私、セフレ失格みたい。ごめんね、大好き」
頼は何も言わずに私の唇をふさいだ。
どんな言葉も覚悟して目をつぶっている私の髪の毛を、頼がそっと撫でている。
こわごわ目を開けると、優しく微笑んでいる頼の顔が近くにあった。
「俺も美香のことダイスキみたい。お互いセフレ失格だから、恋人から始めませんか?」
今度はいたずらっぽく笑う。
私は頭がどうにかなりそうなくらいの幸福感に包まれて、泣き笑いのまま頼を抱きしめた。
「ちょっと待って美香、イテテテ」
「ばかー。離してあげない。大好き、頼」
二人で笑いあって、ベッドの上で転げまわった。
しばらく笑いっぱなしになったあと、私達は、やっとちゃんと恋人になれたことに感謝して、
一度ゆっくりと見つめ合い、心のこもったキスをした。
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