イケメン嫌いの私が唯一付き合えている男友達。そんな彼からあることを告げられて…
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イケメン嫌いの私が唯一付き合えている男友達。そんな彼からあることを告げられて… (ページ 1)
健太郎。誰もが目で追ってしまうようなイケメン。男友達の中では、一番仲がいい。
世の中のイケメンと唯一、決定的に違うところが健太郎にはある。
健太郎の恋愛対象は…男子なのだ。
だからイケメンが苦手な私でも、二人だけで、食事や買い物、映画館、遊園地にだって行ける。
別に、イケメン男子の綺麗な顔立ちが嫌いなわけじゃない。
顔がいいと性格に問題がありそうだし、実際、過去にトラウマもある。
だからこれまでずっとイケメンだと感じる男は避け続けていたが、健太郎は特別だ。
性格がいいし、優しいし、何より気が合う。
今日も二人きりでの食事だった。
帰り道、突然の雨に降られた私は、誘われるがままに健太郎の家で雨宿りさせてもらうことにした。
シャワーを借り、着替えに健太郎のTシャツと短パンを借りている。
服は洗濯中。もちろん、下着も。
男物の服を身に着けていることでどこか落ち着かなさを感じるが、隣にいるのは健太郎だ。
男として意識する必要はない。そう思えば気楽になれた。
カーテンの隙間から外の様子を窺う。
「なんか全然止みそうにないね」
風呂上がりの健太郎に零す。
「やむまでここにいればいいだろ」
そうさせてもらうー、と返しながら差し出されたグラスを受け取る。
隣に腰を下ろした健太郎の手が、私の手に軽く触れた。
思わず手を引っ込めようとしたが、そのまま健太郎の大きな手に捕らえられてしまう。
「ん…?どうしかした?」
「もしさ、俺が梨華のこと好きだって言ったら、どうする?女として見てるって言ったら」
「え?そんなこと…急に言われても…」
意識しだしたら胸の高鳴りが抑えられない。
健太郎の顔がゆっくりとこちらへ近づいてくる。
反射的に目をつぶった。
「痛っ!」
額を指で弾かれる。
「なんて顔してんだよ」
冗談だと知って、ホッとする私。
「もうっ!冗談きつい!」
そう言いながら健太郎の背中を叩く。
「…でもさぁ、俺、ゲイじゃないよ」
テレビを見ながら健太郎が言う。
「何?また冗談?」
笑いながら健太郎を見る。
表情からは冗談なのか、本当なのか判断がつかない。
「違ぇよ」
私の視線を感じても尚、テレビを向いたままだ。
「本当に?」
「ホント。ゲイじゃないよ。女の子好きだし。それに俺、ゲイだって言った事ないだろ」
「確かに…。でも、嫌味なぐらいモテるのに彼女作らないから、てっきり…」
「俺がゲイじゃないって知ったら、お前、俺とこんな風に親しくしなかったろ?」
「それは…そうかも」
「んで、俺がお前の事好きなのは本当。お前が俺をゲイだと勘違いしてた事、わかってて黙ってた。他の男より側にいたいって思って」
「…えっ!?」
「俺の事さ、嫌い?」
「嫌いじゃない!」
即答してしまった。
それも、全力で。
だって、嫌いじゃないし、どちらかと言うと好き。
「俺、もう、お前の事独占したい」
「…っ!」
軽く落とされるキス。
間近で見つめられる。
もし、私がここで断ったら、今までのような関係ではいられなくなる。
そんなのは嫌。
だって、だって、だって、好きだもん。
健太郎が告白を断る度に、健太郎の側にいられている自分が特別な存在のように思えて嬉しかった。
そんな健太郎に、もしも彼女ができたとしたら…そんなの…嫌だ。
「私、独占欲強いんだけど…」
「俺、めちゃくちゃ束縛するタイプですけど、何か?」
どちらともなく笑みが零れる。
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