何処の誰かもお互い知らない。でも、私は彼から性的欲求を満たされる為に逢瀬を繰り返す。。。 (ページ 3)

都心のラブホだけあり、とても狭い。

狭い部屋の中のど真ん中に部屋の大きさとは不釣り合いなくらい大きなベッドが置いてある。

荷物をラブチェアに置いた。

部屋は空調が止まっているみたいで、少しムシムシしていた。掃除が終わりました・・・感の残る消臭剤の香り。

たまらず、エアコンのスイッチを入れた。

前回逢ってから1か月以上が経っていた。

4回逢っているのになかなか取れない緊張。

連絡は日々メールで取り合っていて、通話はしない。

そのせいか、たまにの逢瀬で相手が実在していると実感をする。

実体感をあまり日常では感じられなく、他の人からみたらおかしな関係だと思われるだろう。

『この間のメールで、買うように頼んだもの・・・何に使うか分かるよね?』

祐が着ていた上着をハンガーにかけながら言った。

私は、頷いて小さな声で答える。

『うん・・・』

『前回逢った時、桃が完全に中派だって思ったから、今日はもっといやらしく感じさせてあげるよ』

そういうと、買ってきたものを袋ごと持ってきて、ベッドの上に並べた。

ベッドの上に並べられた、違和感でしかないものだが、淫靡な雰囲気を感じるのは、それらの使い方を想像してしまうからだろう。

『どれがいい?やってみたいだろう?』

吐息交じりの声が耳元でささやく。

祐の声色にゾクッと反応してしまう。

初めて電車で声をかけられた時、私は祐の声色に身体中反応した。

低くもない、かといって高くもない声。でも、男性独特の低さのある声色。

聞き心地の良い、私にとって素敵と感じてしまうような声。

後ろから声をかけられた時、全身がビクッとしてしまうくらいになったのを忘れもしない。

耳にキスをされながら、甘く囁く声にビクビク身体を震わせながら、

『うん・・・』

というのが精いっぱいだった。

私は、そのまま祐の背中に手を回ししがみつくように身体をピタリとつける。

4回目でやっと自然に手を回せるようになっていた。

『少しは気持ちを許せるようになってきている?』

私をベッドに押し倒しながら、私の顔見つめて言ってきた。

最初、1、2回目の時は、まともに顔も見られなかった。

前回逢った時くらいから少し慣れも出てきて、今日はしっかり目を見つめて話せるようになっていた。

私は首をかしげながら、でも恥ずかしくて、目線を少しずらしながら言う。

『なんとなく・・・?』

祐は、スカートの中に手を入れ、パンティの上から指でなぞりながら弄ってきた。

ずっと目線をはずさないで、私をじっと見ながら。

反応を確かめているのか、私の目を見つめながら弄る様子は、とても恥ずかしくてたまらない気分にさせていく。

腰がよじれ、クネクネと動き出し、眉間にしわを寄せこらえる表情をさせ、吐息が喘ぎに変わりつつある姿をただただじっと見つめられている。

執拗に動く指が欲情を刺激させ、だんだんと感情が高揚して息が荒くなっていく。

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