突然の遠距離恋愛宣言に涙する私に彼は…切なくも甘い約束【前】 (ページ 4)

「アメリカ」

「どのくらい?」

「1年間」

―アメリカに・・・1年間も・・・?

拓也はカップの取っ手を人差し指で救い、軽く揺すった。

「・・・大学も休学する。だから、卒業も1年遅れになるんだ」

「・・・」

「・・・」

暫しの沈黙が2人を包んだ。

周りの客の楽しそうな笑い声や、話し声が今はとても耳障りな音に聞こえる。

―美緒には、言いたいことが山ほどあった。

『どうして出発の1週間前まで黙っていたの?』とか、

『長期休みには帰ってこれるの?』とか、

『一緒に卒業することはできないの?』とか…

でも、今の心情だと、拓也を質問攻めにしてしまうことになるだろうし、きっと責めるような言い方にしてしまうかもしれない。

―留学は・・・これは、拓也が決めたことなんだ。

その決意をに水をさすようなことはできないし無論、彼女といえど、そのような資格もない。

寧ろ、笑顔で送るべきなのだ。

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