同窓会へ行こうとした私を、嫉妬に駆られた夫が熱く抱きしめてきて… (ページ 5)
「あんっ、イイ…!」
私の呼吸が鏡を曇らせる。
首が脱力して床が目に入る。私のアソコから滴り落ちた蜜が、いくつものシミを作っていた。
ピストンの動きが早くなる。和智が限界近くになったサインだ。
私も必死で限界をこらえながら、ふとあることに気づいて、声を絞り出す。
「ああん、中はだめ! 中に出しちゃ、だめぇ…!!」
かすれた声で叫びながら、私は限界を超えてオーガズムに達してしまった。同時に、中で和智のおちんちんが震える。
すでにびしょびしょだった私の中が、和智の熱い体液で満たされていく。
「ああもう…ダメって、言ったのに…」
文句を言いながらも、私は私の心も体も充分に満たされていることを感じていた。
*****
「もう! 菜穂、遅刻!!」
「ごめん、ごめん! 夫が離してくれなくてさ」
「えー? 何それノロケ?w」
「菜穂のとこって結婚して10年も経つのにラブラブだよねー。羨ましい!」
同窓会以外でもよく会っている親しいメンツに囲まれながら、私は目的を探して会場内を見渡す。
すると、すぐ至近距離で小太りのオッサンと目が合った。
「菜穂! 久しぶり! お前奇麗になったなぁ」
その姿に全然覚えはなかったけど、声と話し方にはギリギリ覚えがあった。
(え? まさかこいつが元彼…!?)
私が目を白黒させていると、高校時代の親友が近づいてきて私に耳打ちした。
「あいつ劣化し過ぎだよね。高校生の時は爆モテだったのに、今じゃ誰も話しかけにも行かないよw」
「え? やっぱりあいつなの?」
「そ。あんたの元彼」
くすくすと笑いながら、親友は別のグループに話しかけに行ってしまった。
一人取り残された私に、元彼が近づいてくる。
「菜穂」
元彼が私の名前を呼ぶと、口からどぶのような匂いがした。吐き気を抑えながら、私はどうにか愛想笑いをした。
「アラフォーの女なんてババア過ぎてやっぱナシだなーと思ってたけど、俺、お前なら抱けるかも」
容姿は見る影もなく崩れているのに、言動だけは爆イケだった頃のままだった。
あの頃は高慢なところもかっこいい! と思っていたのに、容姿が変わるだけでこれだけ印象が違うのだと衝撃を受けた。
「なぁ、菜穂。同窓会とかつまんねーし。二人で抜けない?」
ニヤニヤしながら伸ばされてきた腕を、私は軽くはたき落とした。
パチン、と案外に大きな音がして、周りの何人かが何事かと振り向く。
「私とあんたじゃ釣り合わねーんだよ。ばーか!」
ついでに持っていたシャンパングラスの中身を、元彼の顔に向かってぶっかけてやった。
呆然とする元彼に背中を向けて去る。
気持ちはとても晴れやかだった。
けれど私は知らなかった。
元彼に向けた背中に、和智がつけたたくさんの所有印(キスマーク)があることを。
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