挙式直前に彼と破談!イケメン英会話講師との偽装結婚は思ったより甘くてエッチでした (ページ 3)
ふうっ、暑っ。
飛行機を降りた途端に、ふわりと熱を帯びた空気に包まれ、とうとうハワイに来ちゃったんだと実感する。
到着口を出て、アキラの姿を探す。
「愛理!」
「アキラ!」
ミーティングアプリで見るよりがっしりと精悍な感じのアキラが、人懐っこい笑顔を浮かべている。
ギュッとハグされて、両頬にキスされ、ただの挨拶だとわかっていてもドギマギしてしまう。
「愛理!会いたかった。画面で見るよりずっと可愛い」
アキラの車でホテルまで送ってもらい、水着に着替えて、プールサイドのパラソルの下に陣取る。
朝っぱらからピナコラーダで乾杯し、時差ボケのせいか、たちまち酔いが回って、会話が途切れた瞬間に、まどろみに引きずりこまれる。
ふと気がつくと、唇に柔らかいものが触れている。
夢?
と思ったら、現実に引き戻されて、でも眠った振りを続けながら、そっと触れるだけのキスを何度か受けた。
「愛理、起きて。そろそろ挙式の打ち合わせに行かないと」
アキラの大きな手が頬に触れる。
「ごめん、私寝ちゃってた」
「寝顔が可愛くて、つい見とれちゃった」
その日は、打ち合わせのあと、軽く食事をして解散となった。
*****
翌日は、早起きしてアキラにボディボードを教えてもらい、その後はホノルルの観光スポットを回った。
アキラはさっとドアを開けてくれたり、椅子を引いてくれたり、買い物にも嫌な顔ひとつせずにつき合ってくれて、人混みでははぐれないように手を繋ぎ、本物の恋人みたいに優しい。
アキラは偽装結婚であることを家族にも友達にも明かしていないらしく、ホノルルにいる間は恋人のように振る舞ってほしいと言われていた。
街中で知り合いらしき人に会うと、アキラは私のことを婚約者だと大袈裟な自慢を交えて紹介するので、明日本当に結婚するような気分になってしまう。
その日の夜は、宿泊しているホテルのレストランでアキラの両親と食事をした。
うっかりボロを出すのではないかと、不安だったけど、この二日間で恋人の振りにもすっかり慣れたので、不審に思われることはなかった。
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