失恋した私を宅飲みに誘ってくれた幼馴染は、酔いに任せて本当のことを喋りだして… (ページ 2)
一息つくと、竜之介は私をまじまじと見ていた。
「…何?」
「…いや、なんも」
「…?」
「とりあえず、風呂、入ってくれば」
「あー、確かに。なんか怒ったり泣いたりして疲れた!ゆっくり入ってきまーす♪」
そう言うと、私は隆之介に適当な服を借りると、浴室へと向かった。
…やっぱり、今日の隆之介は少し様子が変だ。
…私のグチ、聞き飽きちゃったのかな?
まぁ、確かに私が失恋話するの、隆之介だけだし。
でも、あいつが変でも、私は普通に話すだけ。それが幼なじみってもんだよね。
*****
シャワーをしながら考える。
隆之介の家に泊まるのは数えるほどしかなかったが、そういえば、隆之介の女のうわさを聞いたことがあまりない。
…ここにあるシャンプー類も、男が使うものばっかりで、全く女の気がない。
なんで隆之介は、私の話昔からちゃんと聞いてくれるんだろ。
長い付き合いなのに、私は全然隆之介のことを知らない。
そうだ。今日は私の話ばっかりじゃなくて、ちゃんと隆之介の話も聞いてみよう。
そんなことを思いながら、私は浴室を出た。
*****
「あがった~」
「おかえり~」
隆之介は、私のほうを見ずにスマホをいじりながら返事をした。
そんなことを特に気にも留めずに、冷蔵庫を勝手に開けてチューハイを取り出す。
「隆之介も、お風呂入ってくれば?」
「…ん?俺、もう入った」
「あ、そう」
とりとめのない会話から、私はさっきまで泣くほど失恋の傷がうずいていたのに、気が付いたらいつもの調子に戻っていることに気づく。
そう思った私は、少し嬉しくなって隆之介に言った。
「…なんか楽しくなってきた!やっぱあたしには年上ダメってことだよね!よっしゃあ隆之介、今日は飲みまくるぞー!!」
「なになになに急に。ってちょ、俺のオキニの酒…!返せ―――」
「きゃ!…ちょ、こんなんでムキになんないで―――」
勢いあまって隆之介の酒を飲んだ私は、それを阻止しようとした隆之介に押し倒されてしまう。
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