合コンで元カレと再会。酔った私は彼に一緒にいたいと言うと、ラブホテルに行くことになり… (ページ 2)
背後から怒ったような男性の声が聞こえた。
「虎太郎くん…!」
「何って…杏ちゃん酔っちゃったみたいだから送っていこうかな~って」
「…そうなのか?」
私はぶんぶんと首を振って否定し、懸命に声を絞り出した。
「離してって言っても聞いてくれなくて…」
私の返事を聞いて虎太郎くんは男性を鋭くにらみつけた。
「…チッ、空気読めよ虎太郎…あと少しだったのに」
男性は捨てセリフを吐いて、バツが悪そうにその場を去って行った。
虎太郎くんと2人きりになり、私は張り詰めていた糸が切れてその場にしゃがみこんだ。
「おい、大丈夫か?…水もらってくるからちょっと待ってな」
私は立ち去ろうとする彼のシャツのすそを掴んで引き留めた。
「行かないで…虎太郎くん一緒にいて…」
酔った勢いで気持ちがそのままこぼれてしまった。
彼は一瞬驚いたような表情をして、無言で手を差し伸べてきた。
私は迷いなく彼の手を取り、そのまま2人でお店を後にした。
*****
キラキラと輝く繁華街を私たちは何も言わないまま歩く。
数時間前には想像もできなかった展開に、私はドキドキして下ばかり向いていた。
ある建物の前で虎太郎くんが足を止めたので、ふと見上げるとそこはラブホテルだった。
「少し休むか?」
「あ…うん」
私はお酒でポーッとしたまま、ふわふわとした足取りで彼について行った。
空いていた部屋に入ると同時に、彼は冷蔵庫の中からペットボトルの水を取り出して私に渡した。
「ありがとう…」
私はベッドに腰かけ、それをごくごくと飲み干した。
よく冷やされた水が、少しずつ私の理性を呼び覚ましていく。
「あ…えっと、久しぶりだよね。あの…私のこと覚えてる…?」
「当たり前だろ。杏を見た瞬間びっくりしたわ…」
「私だって驚いたよ!…さっき助けてくれてありがとう」
「…」
彼は黙ったまま私の隣に座って、私の手からペットボトルを奪ってテーブルに置いた。
「え、虎太郎くん…?」
虎太郎くんは困惑する私の口を突然塞いできた。
「んん…っ!?」
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