束縛彼氏から監禁されている中、外出したら…お隣さんに聞こえちゃう玄関エッチ (ページ 3)
そう呟いて彼を抱き締めれば強く、きつく抱き締め返して来る。
あぁ、わたしも可笑しくなってしまったのかもしれない。
熱い腕の中でそんな事を少し思う。
彼に束縛されるのがこんなにも嬉しい事だなんて…。
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あの日から外へ出ていない。
この生活はすこし不便だったが、正直『監禁』と呼ぶには程遠いように思える。
だって家から出ないということ以外は鎖に繋がれている訳でもなく、部屋の外から南京錠を掛けられた訳でもない。
パソコンがあるからご飯の材料はネットスーパーで買えるし、宅配ボックスに届いたものは翔が仕事帰りに持って帰ってくれたので、いつも夕飯はそれから作り始めていた。
毎日のんびり家事に明け暮れ、汚れたシーツを洗いつつ昨晩の事を思い出してちょっとどきどきしながら、これってただの出不精な専業主婦なんじゃ…とはっとした。
そんな生活を続けていたある日の夕方、今日は帰りが遅くなりそうと彼から連絡が入った。
お仕事なんだからそれは仕方がない。
「なるべく早く帰るようにするから…ごめんな」
「ううん、しっかり頑張ってきてね」
そういって電話を切ったものの、予定外の出来事にどうしても時間を持て余してしまう。
読みかけだった本も読み終わり、彼がいつも帰宅する時刻を2時間程過ぎた辺りでわたしはふと思ってしまった。
遅くなる彼の為に、帰ってきたらすぐにご飯が食べられるように用意しておいたらどうかと…落ち着いて考えれば、それは約束を破る行為だという事が分かるはずなのに。
翔の喜ぶ顔を想像して、まるでわたしは浮き足立っていた。
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