仕事のできる女上司が容姿端麗と評判の後輩にミスをカバーされて…偏見が解けるとき (ページ 3)
「ちょっと弱みを握ってるんです」
私を安心させるかのように優しく笑って
「返事を待ちましょう」
そう言った1時間後。
先方から、例の見積書は黙認すると連絡が入った。
「ありがとう。本当に。ありがとう」
見かけばかり気にしていると思っていた後輩に助けられた。
ホッとしている私に、
「葉子さん。俺、お礼が欲しいです」
私の目を見つめて静かにいう。
「あ・・・うん。そうね。ありがとう。」
「葉子さん。今夜だけ。俺の言うことを聞いてほしいな」
その笑いに騙されるんだわ。
社内中の女性を虜にしている笑顔で私を静かに脅した。
「え・・・・」
「それでチャラにします」
「そんなことが、良いと思ってるの・・・?」
「さぁ?良いか悪いかなんてわかりません」
「・・・・」
「けど、間違った見積書が破棄されることだけは確かです」
「・・・・」
「どうします?」
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