想いが実ると信じてホストに貢ぐ風俗嬢の私 (ページ 4)

「…見惚れたし惹かれた。でも…」

「でも…?」

応えを促すように続けると、汚れた顔のままベッドに押し倒されて上に股がれた。

そのままタオルを解かれ、いきなり彼の前で裸をさらすことになる。

「もっと、惹いてほしいな。だから、今日はこれで」

そう言って守が取り出したのは、男性器の形を細かい部分まで模したディルド。

すでに潤うそれを手にすると、そのまま私の局部へ持っていく。

「ひぃあっ…!」

硬く冷たいシリコンの感触に、思わず下腹部を跳ねさせた。

仕事でお客を受け入れた余韻。

守の熱に触れた高揚感。

これらが熱と柔軟性を与えたからか、私の結合部はディルドを難なく飲み込んでいった。

「ひっ…あぁっ」

「よかった、ちょうどいいサイズだったみたいで」

進める手を止めないまま、守は安堵を含んだ笑みで言う。

初めてのアフターにセックス。

ずっと望んで叶った瞬間なのに、私の心中を満たすのは寂しさや切なさ。

(…違う、違うじゃないっ)

「違うっ、違うっ…私は」

理性が薄れて心身が高ぶったせいか、私は抱いている感情を吐き出しそうになった。

「どうしたの?」

その問いと共に、気付けば奥まで飲み込んでいたディルドを動かされた。

「あっ、あぁっ」

穏やかなピストンが生み出す、弱くも官能的な摩擦。

その快感に言葉を奪われ、甘い喘ぎを発するしかできなかった。

私が望むのは血や体温が通って、もっと熱くて硬い肉の塊。

こんな、無機質な物体じゃない。

「これ気に入った?結菜の中、すごく濡れてきた」

そう言って守は、ディルドの動きを速めた。

「はっ、あっ…ああんっ!」

シリコンが擦れる度に肉壁が、最奥が燃えるように熱い。

好きな人以外男に、挙げ句には無機物にまで。

見境なしに悦んで感じるこの体が、憎くて仕方ない。

緩急の入った摩擦やピストンが、一気に私の心身を絶頂へ導いた。

抗いたくても抗えない官能に、悔しさや悲しさが込み上げる。

中も外も不規則に収縮し、出ない精液を絞るように異物へ強く絡んだ。

「ひっ、あっ、あっ…!」

嫌だ。

こんな、こんな片手間なイキ方。

イクなら好きな人の、守の熱くて硬い熱でイキたい。

しかし虚しくも私の願いは、はかなく砕け散った。

「あっ、あぁぁっ…!」

最後に最奥をガツンと大きく貫かれ、体を弓なりに反らし呆気なく達した。

頭が一瞬だけ真っ白になり、何も考えられなくなる。

余韻を味わう間もなく、中を満たしていたディルドがゆっくりと抜き出された。

「うぁっ…」

イッて中が敏感になってるのか、抜くだけでもキュンと奥がうねってうずく。

「よかった、満足してくれたみたいで」

(なんで、どうしてこんなセックス…)

満悦な顔で呟く守に聞きたかったが、唇や思考回路が上手く動かず叶わなかった。

「また、一緒にアフターしようね」

(ああ…そうか)

言うと守は、私の顔にかけた液体を丁寧に拭き取っていく。

(わざと、私を満足させなかったのか)

私の恋情も願望も見透かされている、そう自覚した。

次のアフターも、その次のアフターも核心的な欲求は満たされることなないだろう。

お金と時間と労力だけを削り取られて、最終的に飼い殺しにされるに違いない。

でも…

「…また、私とアフターしてね」

正常になってきた心身で視線を向けて応えると、守は優しく微笑んだ。

守から解放されたいとも思えなかった。

-FIN-

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