弟みたいな存在とお兄ちゃんみたいな存在。幼なじみの兄弟が揃うと… (ページ 3)
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「お願いゆり姉。勉強教えて?」
和人が私に頼み込んできたのは一ヶ月前。
私達は家が隣同士で、いわゆる幼馴染。
お兄ちゃんは国立大学三年生で、私は短大一年生。一番下が和人で、受験生。
和人はちょっと生意気だけれど、姉ちゃん姉ちゃんって私を慕ってくれて可愛い弟分。
だから、いつもの調子で勉強を教えていたんだけれど……
「考えてみればさ、家庭教師ならお兄ちゃんのがよくない?私よりよっぽど優秀じゃん」
「よくない」
「なんで」
「だって俺、ぶっちゃけ別に家庭教師必要ないくらい優秀だし」
「は?」
「ゆり姉ちゃんは、俺の受験ですさんだ心を癒すために来てほしいの。なんつーか、カウンセリング?」
言いながら私をひょいと横抱きにして、ベットに押し倒す。
流れる動作に絶句していると、深いキスがしかけられた。
「んんぅ!むぅ……んー!」
ぬるりと口内に入ってきた舌は、ざらざらしていて。
私の舌を追いかけ、角度を変えて、まさぐり、ぬるぬるとたっぷりの唾液が絡められる。
「ふふっ。かーわいい」
キスで息が上がった私。
和人は上下する胸に顔を埋める。
「……俺さ。知っているよ。去年、兄貴とゆり姉ちゃんは、こういうことしてたっしょ?」
心臓がどきんと跳ねた。
実際、私はお兄ちゃんに家庭教師を頼んだ。勉強と同時に仕込まれたのは数々の経験。
「俺にも教えてよ。お勉強」
和やかな声に反して。
和人の眼は、ぜんぜん笑っていなかった。
可愛い顔に反して、和人は凄く肉食系で。
勉強を口実に私を部屋に連れ込んではえっちばっかり求めてくる。
そんなことを続けていれば、お兄ちゃんに見つかるのは当然で……。
――まぁ、開口一番が「俺もまぜろ!」だったから、結果オーライ(?)なんだけれど。
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