相談があると連れだされた公園でカップルが青姦をはじめて…懐っこい美容師の罠 (ページ 2)
「お待たせ致しましたっ…、今日はこの前とちょっと雰囲気違いますね!」
「っ…う、うん。…仕事帰りだから。」
黒のズボンに、白のシャツ。
羽織っているコートだって安物でしかない。
完全に通勤用の服装だ。
朝、家を出る前に連絡をくれれば、もう少ししっかりしか格好が出来たのに…。
恥ずかしさで俯くと、目の前の橘君がクスッと笑った。
「いえ、愛さんはどんな格好でも可愛らしいですよ。」
「っ…。」
社交辞令ってことは充分理解しているつもり。
けれども、ドキッとしてしまうのは、私が暫く恋愛というものから距離を置いていたからなのかもしれない。
なれないその言葉に、更に顔が熱くなるのが分かった。
「と、ところで相談って…。」
「あ、そうでした!」
話題を変えようとさっそく本題に入った私に、橘君が困ったように笑う。
そして「立ち話もなんですから。」と言って、すぐ近くにある公園へと歩き出した。
―それから、どのぐらいがたっただろうか。
“悩み相談”とは程遠い、他愛も無い内容が続く中、ベンチに腰掛ける私と橘君の距離が徐々に近くなっている事に気付いた。
確か、人一人分のスペースはあったはず…。
けれども、今では肩が触れ合う…いわば、すぐ隣にいる橘君。
綺麗な横顔が目の前にあり、意識してしまった私の心臓が大きく跳ねた。
「…でね?その後に…って、愛さん?聞いてます?」
「っ!?あ、う、うん!」
アーモンドアイの大きな目に覗き込まれ、慌てて逸らした。
その時。
っ!!?
突然、ガバッと体が覆われ、後ろの背もたれに背中が当たった。
橘君の顔が私の顔のすぐ側にあり、その両腕が私を囲んでいる。
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