夜桜の下で出会った不思議な男性との優しい一夜の物語 (ページ 4)
彼はベンチに腰掛け、私を膝にまたがらせた。
そして私をきつく抱き締める。
首に、ふわっと八重の唇があたる。
「あったかいよ、ぼたんの体」
ちゅ、ちゅっ、ちゅく…
そのまま、首に口づけをする。
そしてしばらく見つめあって、唇を重ねた。
次第に、私たちは体温を確かめ合うように、互いを触りあった。
彼の広い背中、細いけど硬い太もも、筋ばった色っぽい鎖骨…
彼の細く長い指が、私の体をはう。
柔らかく乳房を撫でる。彼の舌がねっとりと口内を犯しながら。
「んっ…んふ…ふぁ…んんっ」
自然と息が乱れる。失われていた体温が、一気に上昇するのがわかった。
八重と息が触れあい、唾液が混ざり合い、肌が感じ合う。
体が水に溶けていくような快感だった。
「君を…守りたいんだ…いつも見守っているよ…」
朦朧とする頭に、八重の声が響いた。
「ぼたん…愛してる」
私は目を覚ました。朝。そこは、ベンチの上だった。
そこには、一本の立派な葉桜が、涼しそうに風にそよいでいた。
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