平凡なぬるま湯につかった生活から私を引き離したSNS (ページ1)

何気なくフェイスブックを立ち上げる。

懐かしい名前が表示された。

彼の名前は『隆』17年前に私が思いっきり振られた元カレ。

『友達申請』が来ていた。

あれから、17年の月日が流れた。

私も今は結婚をして一児の母になった。

子供は小学6年生になり、子育ても一段落し、昼間はパートに出られるようになった。

旦那さんは、見た目は地味だけど絵に描いたような真面目で穏やかな性格の人。

一流企業ではないけれど、家族三人生活するには困らない収入はある。

地味だけど穏やかな生活。

そんな中飛び込んできた元カレの名前。

『気持ちの緩みは生活の緩み』

よく、母が言っていた言葉。

この穏やかな生活を壊してはいけない・・・でもあまりに何もないくらい穏やかすぎる日々を思うと、ちょっとした刺激があると手を伸ばしたくなってしまう。

『ちょっとだけ』

17年前私はまだ25歳だった。

隆も同じ年。

大学時代付き合って、卒業後も付き合っていた。

私は、隆と結婚するものだとばかり思って疑わなかった。

隆は一流大学・一流企業に就職。絵に描いたようなエリートサラリーマンになった。

大阪支店に転勤になる話が出て、私たちは遠距離恋愛になった。

それでも頻繁に会いに来てくれる。

私は二人の関係が強い絆で結ばれているとばかり思っていた。

しかし、現実は違っていた。

隆は、大阪支店転勤が決まる3か月前から、同期の女と出来ていた。

頻繁に会いに来てくれたのは、私にではなく、その女に会いに来ていたのだ。

遠距離恋愛がスタートしてほどなく私は隆に振られた。

理由は、好きな子ができたから。そして、その子が妊娠したから。

『別れてほしい』と告げられ、理由を聞いて、引き下がるしかないと思った。

そんなひどい別れ方をされた元カレ隆からの友達申請。

嫌な思い出が蘇らなかったかと言えば嘘になる。

しかし、今現在自分が幸せだからなのか、少しでも見返してやりたいという気持ちがあったからなのか、それとも、今の平凡なぬるま湯につかった状態の生活に刺激がほしかったからなのか・・・
それは何とも言えない。

私は、『友達申請』を許可した。

すぐに隆から連絡が来た。

しかも、平日の昼間、メッセンジャーで連絡が来た。

メッセンジャーはline形式のチャットだ。

あんな酷い振り方をした本人と思えない感じでメッセージが届く。

隆にとってはもう時効のような、過去のことなのだろう。

実際もう17年も経っているのだから、過去のことには違いない。

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