幼馴染の修羅場に遭遇して打ち明けられる獣のような独占欲 (ページ 3)
「待てって…」
「…離して!もう、知らない…さよなら」
掴まれた腕を振り払って、そして一瞬だけ私の方を睨み付け、女の人はそのまま走り去っていった。
「マサト…」
「あ…マリ…」
「ひ、久しぶり…」
「あ、ああ…」
「何?修羅場?…私睨まれちゃったけど…」
「え、あ…まぁな…」
頭をかく癖。
変わってないな…。
「まぁなんだ…ここじゃ暑いし、俺んち来いよ」
「あ、うん…じゃあ、お邪魔します…」
マサトの部屋も久しぶり。
「あの子と別れちゃうの?」
「あ、え…まぁ…さよならとか言われちまったしな…」
「喧嘩でもした?」
「…俺が悪いんだよ」
マサトがベッドに腰掛けて言った。
「俺が他に好きな奴がいるって…言ったから…」
他に好きな奴…。
ズキッと心が痛む。
「そ、そっか…」
私は壁に目を向けて、話を聞いていた。
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