告白を瞬時に断ったら勝負を持ちかけられて隠れドSだった幼馴染に鳴かされる (ページ 7)
「いらない?」
「…る」
「聞こえない」
声が震えて、かすれる。
私の顔は、きっと真っ赤だ。
満足そうに笑う、憎たらしい純の頭を抱き寄せて、悔しさで狂いそうになりながら、懇願した。
「入れて」
いいよ、とたぶん純が言ったのは、自分の悲鳴で聞こえなかった。
「これは俺の勝ちじゃない?」
「だったら、どうなるんだっけ」
純は、天井を見上げて沈黙した。
二人して肝心なことを、決め忘れていた。
「…えーと」
「3秒以内にどうぞ」
「えっ、えーと、お、俺とつきあって」
「どうしよっかなあ」
無駄に考えるふりをしてみる。
だいぶ時間がたって、あの、と純がおずおずとのぞき込んで来た時。
「いいよ」
わずかばかり回復した自尊心と共に、ぽかんとしている口にキスをした。
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