変な部屋に好きな人と閉じ込められた。セックスしないと出られないからやっちゃおう!? (ページ 3)

「動いていい?」

「めちゃくちゃにして」

もうすぐ甘い夢が終わる。

だから絵里はそう言った。

「煽るなよ。大事にしたいんだから」

そう言って、真吾は腰を動かし始めた。

「優しくしないで。こんなの夢なんだから。ああ……」

「こんなリアルな夢あるかよ。すごく気持ちいいのに。夢で終わらせてたまるか」

どうしてそんな嬉しいことを言ってくれるんだろう。

都合がよすぎる。

そんな思いは、真吾から与えられる快楽で消されていった。

「真吾、好き。もっと、ああっ、あっ」

「俺も好きだよ。絵里っ!」

「ああああああっ!」

「うっ!」

絵里は、自分がイッたと同時に、真吾の熱を感じた。

絶頂を迎えて、真吾が絵里の中から出ていった。

これも全部、夢なんだ。

そう思うと悲しくなってくる。

まだ眠りたくないけれど、絵里はまぶたが重くなるのを感じた。

眠ってしまう。

起きたらきっと現実に戻る。

最悪な夢オチだ。

「真吾、ギュッてして……」

「絵里は甘えんぼだったんだな」

そう言いながらも、真吾は絵里を抱きしめてくれた。

「だって、夢なんだもん。起きたら何もない」

「はいはい。起きたらめちゃくちゃ好きって言って、ぐちゃぐちゃに抱くから覚悟しといてね」

「夢だから忘れてるかも」

「それならそれで、サプライズになるからいいよ」

「真吾、好き」

絵里はもう限界だった。

だから最後に、真吾に伝えたかった。

「俺も絵里のこと、大好きだよ」

それを最後に、絵里は眠りに落ちた。

*****

目を開けた絵里の視界に、最初に入ったのは真吾だった。

「あ、起きた」

「ひぃっ!」

びっくりしてしまった絵里は、跳ねるように体を起こした。

「その様子だと覚えてる?どんな夢見てたか」

絵里は黙って考え込む……必要はなかった。

すぐに思い出したからだ。

しかし言葉が出てこない。

辺りを見回すと、真吾の部屋だ。

真吾の部屋でゲームをしていたら眠ってしまったことも、思い出した。

「な、何のこと、言ってるの?」

真吾とエッチをしている夢を見ていた、なんて絵里は口に出せなかった。

夢だと思っていたし、起きたら忘れていると確信していた。

それにお互いに見た夢が間違っていたらどうしようと思うと、言葉にはできない。

「セックスしないと出られない部屋で、セックスしたじゃん。なんであんな夢みたのかわかんないけどさ。それとも絵里は違う夢見てたの?」

絵里は静かに首を振った。

二人で別々の夢を見たのではなく、夢を共有していたようだ。

夢なのに現実だった、ということ?

理解できない絵里は呆然としていた。

そんな絵里に、真吾はキスをした。

「え?あの……」

「好きだよ。絵里」

そう言った真吾の表情は、いつも見ている友達の顔ではなく男の顔をしていた。

「夢では先に言われちゃったから」

そしてまた、チュッと口づけられた。

「絵里も言ってほしいな。夢じゃなくて、現実で」

「……す、好きです」

「顔真っ赤。可愛い」

「からかわないで、……んっ」

反論しようとしたけれど、またもや真吾の唇に襲われて何も言えなくなった。

今度はすぐに離れることなく、絵里の中に真吾の舌が入ってくる。

「ん、う……、んんんんっ」

唇が離れると、絵里は夢の中でのキスを思い出した。

感触が全く同じだったのだ。

「ねえ、さっきの続きしよ?」

そして、起き上がったばかりのベッドに押し倒された絵里であった。

-FIN-

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