旅先で出会ったドクターにバルコニーで…イケナイ診察依頼 (ページ 3)

診察を済ませ必要な処置などの全てが終わると、彼女は薬のせいか、あっというまに、ぐっすりと眠っている。

するとドクターが、「もし迷惑でなければバルコニーでタバコを吸ってもいいですか?」と丁寧な上品な口調で聞いてきた。

「もちろん、いいですよ。どうぞ。」と言うと、彼は、ジャケットのポケットからタバコを取り出しバルコニーへ出た。

私はタバコを吸わないが、なんとなく一緒に外に出て付き合うことにした。

バタン!

彼は、部屋とバルコニーをつなぐガラスの窓をしっかりと閉めた。

「タバコの煙が部屋に入ると困るからね。彼女もぐっすりと寝ているし。」

こうして私たちは、二人の世界に入った。

「君はタバコを吸わないの?」

「はい、私は吸いませんが、どうぞ心おきなく吸ってください、ドクター」

「ありがとう。ドクターはやめてね。僕はサムだよ。サムと呼んでね。」

「君の名前はなんて言うの?」

「私はミミ。東京でエステシャンをしているの。」

「おー、それは素敵な仕事だね、ミミ。僕もマッサージをしてもらおうかな。」

話は弾む。

しかし、サムとはどうしても呼べない。

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