何処の誰かもお互い知らない。でも、私は彼から性的欲求を満たされる為に逢瀬を繰り返す。。。 (ページ 2)
そして、それから数回、祐と逢い、今日で4回目の逢瀬となる。
私は指定されたものを買うためにスーパーへ行った。
祐から指定されたものは、『ゴーヤ、ズッキーニ、バナナ』
形状がどれも一緒。
どうするのかくらいはすぐに思いついた。
スーパーの野菜売り場でつ一つ選んで行く。
誰も、これらのものを食す以外に使うとは思っていないだろう。
そう思うと、それらを手にすると身体の奥から熱を帯びたものが込みあげてくる感覚になり、下着の奥から溢れてくるのを感じる。
私は昔から自分自身が普通と違う性癖を持ち、変態さを感じ取っていた。
ただ、なかなか実行に移すことは出来ず、唯一実行に移せたこと、それが痴漢をされて感じるという行為だった。しかし、痴漢にバレてはいけない。
一応、いやな素振りをしつつも、痴漢に触れらることを悦び、感じていく。
時に、触られて軽く昇りつめる日もあれば、最寄りの駅のトイレに入り、自ら自慰行為に走ることもあった。
私は、あまり経験値がなかった為に、変態行為に及んだことはない。
また、今まで付き合った人もみんなノーマルだった。
そんな時に出会った祐は私の望みを叶えてくれそうな、私の奥底に潜むいやらしい部分を引き出してくれるような気がしたのだ。
祐から指示されたものを買い、待ち合わせ場所のカフェへ向かう。
向かう途中、下着の中が既にたっぷりと潤いをもたらせていることを感じ取る。
カフェのドアを開くと、既に祐は来ていた。
軽く会釈をして席へ向かう。
カシャカシャとスーパーの袋の音がするたび、ドキドキする気持ちの高鳴りを覚える。
祐はその袋ごとそっと触れると、満面の笑みを浮かべて頷いた。
『何か飲む?』
そう聞いてきたので、少しだけ残っていた祐のアイスコーヒーに指をさした。
『その残り飲んでいいですか?』
祐は自分の飲みかけのアイスコーヒーを渡してくれた。
喉を通って、冷たいものが身体に流れ込んで行く。
私は、スイッチをオンに入れた。
カフェを出て、二人でラブホ街を歩き適当な所でホテルに入った。
入る瞬間、4回目だというのに緊張感が押し寄せてきた。
一瞬躊躇してしまう自分がいる。
『引き返すなら今だよ』と囁く別の自分がいる。
その戸惑いを祐は見逃さず、スッと手を握ると引っ張って中へ入った。
ずっと祐はその手を離さず部屋まで連れて行ってくれた。
手を握られると、不思議とさっきまでの緊張感が少しは抑えられる感じがした。
部屋はあまりラブホ感のない、シンプルなこざっぱりとした部屋だった。
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