痴漢被害にあった彼女におねだりされて優しく念入りに抱き合う柔らかな独占欲 (ページ 2)

「怖かったね」

由里からの返事はない。

ただ、こくりと小さく頷いただけだった。

「もう大丈夫だよ」

思う存分泣かせてやりたいと思った。

この腕の中で。

「こゎ…かった……こわかった」

「由里…」

「知らない人の手が、いきなりお尻触ってきて…スカートの中にも」

「由里、つらいならもう喋らなくていいから」

言葉は途切れたけれど、啜り泣く声だけは続いた。

ここが玄関だということも忘れて、ただ抱き合っていた。

「……修次さんだけなんです。私に触っていいのは」

わずかに体を離した由里がこちらを見上げる。

少し安心した。

涙はひいたみたいだったし、何よりその言葉が嬉しかったから。

「そうだね」

「だから…」

そのまま視線を外して、モジモジする由里。

それだけで俺はピンときてしまった。

「いっぱい触って下さい」

真っ赤な顔で、もう一度見つめられる。

「さっきの記憶なんて、さっきの感覚なんて消えっ…」

最後までは言わせなかった。

ぷるんとした唇に自身のものを重ねる。

恥ずかしがり屋の恋人からのおねだり。

今はこれだけ聞ければ十分だったから。

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