変態と噂の先輩に真偽を確かめるつもりが―妖艶に激しく愛される (ページ 8)
「……ん」
「類ちゃん?」
重い瞼を何とか持ち上げると、私が起きたことに気づいた保田さんが声をかけてくれた。
ぱちぱちと何度か瞬きを繰り返してから開いた視界には、Gパンを身につけた保田さんの晒されたままの上半身が移った。
「おはよう、起きられそう?」
「はい」
そう言って私の髪を撫でる保田さん。
軽く起こした身体には、保田さんのものであろうぶかぶかしたシャツが着せられていた。
「ごめん、無理させた」
「そんな!」
「本当は少しずつ、もっと大事にしようって思ってたんだけれど……」
そう言ってから、少し照れたように頬を掻く保田さん。
自分の言ってしまったことの意味に今更気付いて、私は再びベッドに沈み込んだ。
「あの、本当にごめんなさい」
「何で謝るの?」
両手で顔を覆う私の上に、保田さんの凄く嬉しかったと言う声が降ってくる。
視界の無い中で手首に口付けられてびくりと跳ねると、今度はくすくすと笑い声が降ってきた。
「これから色々と覚悟しておいて、類ちゃん」
「……はい」
楽しそうな声音の中に、隠しきれない色欲を感じてしまう。
その一言だけで羞恥に震えながらも、私は何とか返事を返した。
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