助けてくれた彼は痴漢?!通学電車でのドキドキ

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助けてくれた彼は痴漢?!通学電車でのドキドキ (ページ 1)

「ミナってば、ほんっと流されやすいよねぇ」

 大学が終わった帰り道。

 私、ミナは親友のユキといつものように駅へ向かっていた。

 履きなれないヒールに躓きそうな私をユキがからかう。

「あぶないなぁ。ミナにヒールは十年早いんだって」

「うるさいなぁ。だってネットに『ギャルっぽい服を着ていると痴漢に合わない』って書いてあったんだもん。ギャルって言ったら露出とヒールじゃない?」

 私、ミナは通学中の痴漢に悩まされていた。

 対策方法を検索してみたら、一番最初にヒットしたのが、『気の強そうなギャルに変装する』こと。

 さっそくやってみたんだけれど、ユキからはどうにも不評。

「ミナがギャルってなんか迫力がないっていうか。中学生がお姉ちゃんのお洋服を着ちゃったみたいな……」

「誰が中学生よ! 確かに私は童顔でチビだけど!」

「おまけにAカップの貧乳ちゃんで、彼氏いない歴年齢の処女だもんねぇ。中学生のが大人かも?」

「怒るわよ!」

「もう怒っているじゃん。で、結局効果はあったの?」

「……駅でオヤジに援交申し込まれた」

「裏目にでてるし!」

「で、でもイケメンのヤンキーが助けてくれたから大丈夫だったもん!」

「へぇー。小学生の頃からまともに男子と会話できないあんたじゃ、どうせお礼もろくに言えなかったんでしょ?」

 うっ、と声を詰まらせた。さすがユキ。全部見破られている。事実、テンパりすぎて私はその人からも逃げてしまったのだ。

「そんなんじゃいつまでたっても彼氏できないわよ」

「うるさい! ユキだってフリーのくせに! ……って、あぁもう電車来ちゃう! じゃあね!」

 私はユキと別れると、あわててホームへ急ぐ。

(うぅ……歩きにくい……てか、超混んでるぅ……)

 アナウンスによると、人身事故の影響らしい。

 私はなんとか車両の連結部近くでスペースを確保し、吊革に掴まった。

 ほっと一息をついたのもつかの間。

 違和感に気が付いたのは、発車してしばらく経ったときだ。

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